インプラント治療の流れは?どれくらい期間がかかる?通院回数と治療の流れについて
インプラント治療を検討されている方は、費用のほかに治療の流れや期間、どのような治療内容なのか気になる方も多いのではないでしょうか。
医院によって治療の期間や流れが大きく変わることはありませんが、インプラントの本数や術式によって、治療にかかる期間や来院回数などは変わってきます。
今回は、治療前に知っておきたい「インプラントの治療期間」および「治療の流れ」について詳しくご説明いたします。インプラントの流れや期間への不安を解消できれば幸いです。
1. インプラントの基本
インプラントとは歯がなくなったところに人工歯根を埋め込むことで、失った歯の代わりとする治療方法です。
まず、顎の骨に「フィクスチャー」と呼ばれるインプラント体を埋入します。埋入したインプラントは天然歯と同じように、骨と結合するため、「第二の永久歯」と呼ばれています。
次に、埋入したインプラントに「アバットメント」と呼ばれる連結パーツを取り付けます。これを土台にして、その上に「上部構造(人工歯)」を装着して終了となります。
2. インプラント手術の方法
インプラント手術には一次手術と二次手術があります。
一次手術:インプラントを骨に埋入する手術
二次手術:インプラントとアバットメントを装着するための手術
二次手術は名前に「手術」とついていますが、アバットメントを装着するために歯茎を少し切開して行う簡単な手術です。
手術の流れとしては、一次手術と二次手術を1回で行う「1回法」と、2回に分けて行う「2回法」の2つの方法があります。
1回法の場合、一次手術と二次手術をまとめて行います。つまり、インプラントを骨に埋入して、その場でアバットメントも装着する方法です。
2回法の場合は、まず一次手術でインプラントを骨に埋入します。その後、治癒期間を経て、二次手術を行い、インプラントにアバットメントを装着する方法です。
1回法のほうが一度の手術ですみますので、治療にかかる期間も通院回数も患者様の身体的な負担も少なくすむのでメリットが大きいです。そのため当院でも基本的に1回法で行います。
しかし、骨の状態によってはインプラント埋入直後にアバットメントを装着することが難しい場合があります。そうした場合は、埋入してから期間を空けて、インプラントと骨とがしっかりと結合してからアバットメントを装着する必要があります。平均して3〜6ヶ月ほど期間を空けます。
1回法になるか、2回法になるかは、実際に埋入してから変わることもありますが、事前にある程度予測可能です。
3. インプラント治療の流れと期間、通院回数について
GDHインプラントオフィス札幌でのインプラント治療の流れについてご紹介します。
治療の流れは大きく分けて次の6つのステップで進みます。
①初診(検査・カウンセリング)
②インプラント手術の事前準備
③インプラントの埋入手術
④治癒期間
⑤上部構造の装着
⑥メンテナンス
歯医者さんによって行われている内容などは異なりますが、このステップ自体はどの医院でもおおよそ同じです。
治療の詳しい流れと期間は以下になります。
①初診(検査・カウンセリング)
期間と通院回数:1日~2週間程度(通院回数は1回~3回)
口腔内の確認とCTを撮影して歯科医師による診断を行います。
患者様のこれまでの歯のお悩みやこれからどうされたいかお話を聞かせて頂いたうえで、治療計画を立ててまいります。
以下の内容について詳しくご説明いたします。
カウンセリングの内容
・現在のお口について
今のお口の中にある問題点だけでなく、今後起こりうるリスクについてご説明します。
・治療計画について
まず、理想的な治療計画をご紹介します。治療にかかる費用や期間、注意事項などをご説明します。そのうえで、ご予算や治療期間など患者様のご要望をすり合わせていきます。
最終的に納得した治療計画をご選択頂けることを大切にしていますので、何度もカウンセリングを行わせて頂いて構いません。
どの位置にインプラントを埋め込むかなどによってインプラントの寿命や見た目の満足度、治療費も変わってきます。そのためいくつかの治療方法を提案させていただくこともあります。カウンセリングに十分に時間をかけることを大切にしていますのでご安心ください。
噛み合わせのバランスや骨の状態によってはその場ですぐに治療計画を立てることが難しく、他の分野の専門の歯科医師や歯科技工士ともカンファレンスを行ったうえで治療計画を立てる場合があります。その場合は、後日あらためて治療計画のご説明をさせて頂きます。
GDHインプラントオフィス札幌ではLINEでのチャット相談も行っておりますので、遠方からお越しの方やなかなか来院するのが難しい方、ちょっとした質問などがあればいつでもLINEでご相談して頂けます。
お薬を飲まれている方や現在他の病院で治療を受けている方に関しては、かかりつけの医師に健康状態の確認をさせて頂きますので、お薬手帳をご持参くださいませ。
②インプラント手術の事前準備
期間と通院回数:約2週間~4週間程度(通院回数は2回~4回)
治療の方針、計画が決まりましたら、インプラント手術に向けての準備をしていきます。
インプラント手術の前に虫歯治療や抜歯が必要な際、それらの治療を先に行います。
また、あごの骨の量が足りなく、骨造成などが必要な場合は先にその治療を行ってからインプラント手術の事前準備に移っていきます。
GDHインプラントオフィス札幌の特徴
安全なインプラント手術のために事前の検査や準備はとても重要です。まだ導入をしている医院が少ない当院の特徴をご紹介します。
・リアルタイムPCR検査と歯周内科治療
インプラント手術を受けられる方のほとんどが歯周病が原因となっています。また、歯周病リスクが高いままインプラント手術を行なってしまうと、菌血症やインプラントと骨との結合に支障が出るリスクがあります。
歯周病の原因となる歯周病菌には様々な種類が存在します。どの原因菌が多いのかをリアルタイムPCR検査で調べ、原因菌を特定します。特定した菌に応じてお薬を使って歯周病菌を除菌していきます。
・血液検査
インプラント手術は外科手術となりますので、必ず全身の健康状態を確認してから行います。
糖尿病の数値は大丈夫か、感染症がないか、血は止まりやすいかなど血液検査を行ったうえでインプラント手術を行います。
血液検査の結果、他の治療を先に行ってからインプラント手術を行うことになるケースもあります。また、インプラント手術ができないという可能性もゼロではありません。
その他にも、インプラント手術後の治癒期間中に入れ歯が必要な場合は入れ歯を作成しておくなど、患者様の治療計画に応じて準備を行なっていきますが、通院回数を減らせられるように、1回の来院で出来る限りまとめて行います。
③インプラントの埋入手術
期間と通院回数:1日~1週間程度(通院回数は2回~3回)
インプラントを埋入していきます。患者様のご要望や口腔内の状況にもよりますが、基本的に埋入するインプラントの本数に関係なく埋入手術は1回(1日)で終わらせます。
血圧測定など手術当日の健康状態の確認、お口の中をクリーニングしてから手術室へご案内します。
執刀医である当院の院長は経験豊富なため、インプラントの埋入にかかる時間はほんの数分です。
3本くらいのインプラントでしたら、事前準備や麻酔、止血の時間、術後のCT撮影やご説明などすべて含めて、来院してから1時間から1時間半ほどでお帰り頂けます。
皆さん緊張して来院されますが、手術そのものにかかる時間はとても短いので拍子抜けされるかたがほとんどです。もちろん、正確、安全は大前提で素早く行っておりますのでご安心ください。
手術の難易度や埋入する本数によっては変わりますが、かかっても滞在時間で3時間ほどです。
手術後は、手術の翌日に消毒、1週間後に抜糸で来院して頂きます。
④治癒期間
期間と通院回数:約2ヶ月~6ヶ月程度(通院回数は3回~6回)
インプラント埋入後、骨とインプラントとが結合(くっつく)するまでの目安は平均的には上顎で6ヶ月、下顎で3ヶ月です。
治癒期間のあいだは月に1回程度の間隔でインプラントの状態をチェックし、お口のクリーニングを行っていきます。
インプラント以外に治療するところがあれば、この期間中に治療をすることもあります。
また、基本的にはインプラントの埋入手術のときに、インプラントにアバットメントを装着する1回法で手術を行いますが、骨の状態によっては治癒期間が終わってからアバットメントを装着するための手術(二次手術)を行います。
手術といっても、インプラントを覆っている歯肉の形を整えてアバットメントを装着するだけなので、10~30分ほどで終わります。
二次手術を行った場合は1ヶ月後に次のステップに進みます。
最終的な歯となる上部構造が装着するまでの間はインプラントのところは仮歯をつけたり、入れ歯を使用したり、何もつけない状態のままにしていたり、部位や患者様のご要望に応じて判断しております。
⑤上部構造の装着
期間と通院回数:約1ヶ月~2ヶ月程度(通院回数は3回~5回)
歯型・噛み合わせの型取りを行い、インプラントの上に被せる人工の歯の部分(上部構造)を作製していきます。当院の上部構造は専属の歯科技工士がジルコニアセラミックで製作します。
ジルコニアセラミックは汚れもつきにくく、摩耗することもありません。また、見た目も美しく、変色することもないので、美しさが一生続きますのでおすすめです。
特に前歯のインプラントは仕上がりの美しさはとても重要なので、必要に応じて実際に製作を担当する歯科技工士と形や色の打ち合わせなどを行い、ご満足頂ける仕上がりを目指します。
審美歯科を得意とする補綴医も担当しますので何度か形などを調整しながら完成させていきます。
できあがった上部構造を装着すればインプラント治療は完了です。
⑥メンテナンス
期間と通院回数:1~3ヶ月に1回
治療が終わってからは定期的なメンテナンスを受けることも重要です。インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病にはなる恐れがあります。
また、インプラント以外に天然の歯が残っている方は、もう二度とインプラントをしないですむように、しっかり予防していく必要があります。
当院では、インプラントだけでなく、お口全体のメンテナンスを行っています。歯科医師による虫歯や歯周病、噛み合わせの確認、歯科衛生士によるクリーニング、患者様お一人お一人に合わせた適切なホームケアのやり方などをお伝えいたします。
最初は1ヶ月に1回来ていただいて、患者様のホームケアの状況によって3ヶ月に1回と間隔を空けていきます。ホームケアが定着すれば、来院回数も減りますのでメンテナンスのプロの歯科衛生士と二人三脚で頑張っていきましょう。
4. 治療期間を短くするために
GDHインプラントオフィス札幌では治療にかかる期間を短くし、通院回数を減らせられるように様々な取り組みを行っているのも特徴です。ここではその一例をご紹介します。
複数本まとめて治療する
インプラントを1本ずつ治療するとそれだけ治療にかかる期間も長くなります。1本ずつではなくできるだけまとめて治療することで治療機関を短くしていきます。
インプラント光機能化技術
インプラントと骨との結合力をより強固にさせる技術です。光機能化技術を施したインプラントを埋入することで、治癒期間が通常と比較して、1ヶ月程短くなります。
抜歯後即時埋入
インプラント埋入予定の部位に歯がまだ残っている場合、あらかじめ抜歯をしてからインプラントを埋入する「待時埋入」が一般的ですが、当院では歯を抜いてすぐにインプラントを埋入する「抜歯後即時埋入」をできる限り行っています。
待時埋入の場合は抜歯してから1~2ヶ月経過してからインプラント埋入となり、手術も「抜歯」と「埋入」で2回行う必要がありますが、即時埋入であれば1~2ヶ月待つ必要もなく、1回の手術ですみます。
抜く予定の歯に大きな病巣がある場合は待時埋入になりますが、できる限り、患者様のご負担を減らすために可能な限り一度の手術で済むように抜歯と埋入を同時に行います。
プラセンタ
術後の治癒を促進させるためにインプラント手術前からプラセンタを摂取して頂きます。
高圧酸素療法
インプラント治療後の治癒を促進させるために、院内に完備されている酸素ルームで高圧酸素療法を受けて頂きます。
※自由診療。費用は手術料金に含まれております。
5. 治療期間が長くなる症例
治療期間が長くなってしまうような症例をご紹介します。
骨が薄い、少ない
歯が欠損している状態が長ければ長いほど、骨は痩せていきます。そうなると、インプラントを埋入するために、骨を増やす骨造成の手術が必要となります。
骨造成の手術とインプラントの埋入の手術を同日に行えれば、治療期間はそこまで長くはなりませんが、もし別々で行うとなると、3~6ヶ月ほど余計に治療期間が長くなってしまいます。
特に上あごの奥歯は骨の厚みが足りないかたが多いので要注意です。
矯正治療が必要
インプラントを埋入するためのスペース(隙間)がない場合は最初に矯正治療で歯を動かしてから埋入する必要があります。
6. おわりに
インプラントの治療にかかる期間は、部位や治療計画、患者様のホームケアによっても変わってきますが、治療開始から終わるまでおおよそ4ヶ月~8ヶ月ほどかかります。
ブリッジや義歯(入れ歯)と比較すると治療期間は長いかもしれませんが、通院回数は毎週のように通わなくても大丈夫です。
GDHインプランオフィス札幌だけでなく、同じグループであるスマイルオフィスデンタルクリニックに通っていただくことも可能です。土日も祝日も休まず診療しておりますので、通いやすいタイミングで通いやすい医院をお選び頂けます。
長い間、歯を放置していたりすると、矯正治療や骨造成の手術が必要になり、インプラントの治療だけでも1年以上かかってしまうこともありますので、インプラントをお考えの方は一度早めにご相談ください。
受ける受けないの前に、今の状況で、治療にどれくらいの期間がかかるかを少しでも知っておくことは、今後の計画を立てる上でとても大切なことだと考えています。