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CASE

インプラント/オールオン4
インプラント/オールオン4 オールオン4

インプラントと天然歯をブリッジにした患者様のオールオン4ザイゴマインプラントの症例

インプラントと天然歯を連結してブリッジにされていた札幌市にお住まいの60代女性のオールオン4ザイゴマインプラントの症例をご紹介します。

インプラントと天然歯でブリッジ

天然歯とインプラントの違いとして、歯根膜の有無があります。

歯根膜とは歯根部分(歯の根っこ)と歯槽骨の間を結び付ける繊維性の組織です。食べ物を噛んだ時に、歯にかかる力を吸収・緩和し、歯と骨との間でクッションの役割をはたしてくれています。

インプラントにはこの歯根膜がなく、骨に直接くっついているため、全くと言っていいほど動きません。

つまり、天然歯は噛むと若干動き、インプラントは全く動かないのです。

このように、動く天然歯と、動かないインプラントとでブリッジにして連結してしまうと、動かないインプラントの方に力が集中してしまい、過度の力によってインプラントの破損や脱落などの問題が起きやすくなります。

天然歯のほうにも歯根膜の働きが弱まったり、あごの骨が溶けたりなどのデメリットがあります。

そのため、一般的に天然の歯とインプラントは連結してブリッジにはしません。

過去に埋入したサファイアインプラント

こちらの患者様もインプラントと天然歯をブリッジにされていました。

30年以上前に入れ歯が嫌でインプラントを埋入されたようで、その時に天然歯と連結してブリッジにされたようです。

埋入されているインプラントを調べたところ今では珍しい「サファイアインプラント」でした。

サファイアインプラントは1980年代に多く使用されていたインプラントです。

サファイアインプラントは骨と結合しないため動いてしまいます。

そのため、周囲の天然歯を削り、サファイアインプラントと人工歯で連結する形になります。いわゆる天然歯とインプラントによるブリッジです。

今では天然歯とインプラントを繋げるという治療は考えられませんが、当時はそうした治療が多く、そのためトラブルも多かったです。

その後、骨とチタンが結合するオッセオインテグレーションを利用したインプラント治療の方法が科学的根拠を持った治療であると広く認知され、インプラントはチタン製のものが主流となり、それは今でも続いています。

パノラマレントゲン写真です。

上顎に3本のサファイアのインプラントが埋入されていました。

上顎の右側はサファイアのインプラントと天然歯を連結してブリッジになっていました。

左側も同じようにインプラントと天然歯とで全て繋いでブリッジの状態です。

インプラントと天然歯を連結しているブリッジを外して、それぞれを独立させたいのですが、インプラントが埋入されているところの歯茎が痩せて退縮しています。CTを撮影しインプラントを支える骨も吸収されていることが確認できました。

ここまでインプラントを支える骨がないとインプラント自体を撤去することになります。

治療計画

ブリッジによる治療のデメリットの一つに、再治療が大変なことがあげられます。

一箇所だけ悪くなったとしてもブリッジを外して治療する必要があります。

そのため今回のように長いブリッジをしていると全て外して作り直さないといけません。

また、残っている天然歯も神経を抜いている失活歯の場合、何度も再治療を繰り返せるものではありません。

こちらの患者様もかなり長いブリッジが入っており、残っている天然歯は全て失活歯でした。

埋入されいてるインプラントも撤去することを考えると、なかなか治療を受ける患者様のご負担は大きくなってしまいます。

そのため、将来のことも考えてこの機会にしっかり治したいという患者様のご希望で上下ともにオールオン4治療を行うことになりました。

下顎は4本のインプラントによる通常のオールオン4治療。

上顎は左右ともに奥歯の骨がほとんどないため、前方に4本のインプラントを埋入し、左右の後方にそれぞれザイゴマインプラントを埋入することで、手術したその日のうちに仮歯を固定させることになりました。

インプラント手術後

上下とも1日でインプラント手術を行いました。

手術中は静脈内鎮静法を行なっているため、患者様はうたた寝しているような状態で手術を受けることができます。

インプラントを埋入後、すぐにファーストプロビジョナル(最初の仮歯)をインプラントに固定させます。

その後、6ヶ月の治癒期間を経て、セカンドプロビジョナル(2つ目の仮歯)を作成しました。

セカンドプロビジョナルで噛み合わせや見た目を修正していきながら、最終的な歯はどういった色、形がいいか患者様と打ち合わせを重ねていき、ファイナル(最終的な上部構造)を装着して治療終了です。

まずは今のお口の状態を知って頂くことから

治療を終えてキレイになったお口を見て、患者様も大変喜んで頂きました。

30年以上前のインプラントが今まで特に大きなトラブルもなく、よく保ってくれたとポジティブに捉えることもできますが、こうした方はとても稀です。

こちらの患者様も気づかない間に骨は大きく吸収され、ザイゴマインプラントでなければオールオン4を行えない状態でした。

お体も健康でしたのでオールオン4を受けて頂くことができましたが、オールオン4治療を受けられないような健康状態になっていたら、もっと長い間、何度も通院することになり、何度も再治療を繰り返すようなことになっていたかもしれません。

もしそうなっていたら、このように素敵な笑顔で喜んでもらえなかったかもしれません。

当時のサファイアインプラントによる治療においては、インプラントと天然歯をブリッジで連結させることは「普通」だったのかもしれませんが、チタン製のインプラントを用いる現代のインプラント治療においては、インプラントと天然歯のブリッジは「普通」ではありません。

同じようにインプラントと天然歯でブリッジにされているかた、そもそもご自身のインプラントがどのような状態なのか把握されていないかた、お気軽にGDHインプラントオフィス札幌にご相談ください。

悪くなってからではどんどん治療の難易度は難しくなってしまいます。

すぐに根本的な治療を決断されなくても、噛み合わせの調整、クリーニングなどの応急処置も対応可能ですのでご安心ください。

まずはご自身のお口の状態と将来のリスクを知って頂くことがとても大切です。

インプラント/オールオン4の症例

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