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虫歯を放置するとどうなるのか?リスクと治療法を解説

「虫歯かもしれないけど、まだ我慢できるし…」
「痛くないから、しばらく様子を見よう」

このように、虫歯を放置してしまう方は少なくありません。
しかし、虫歯は自然に治ることはなく、放置すると確実に進行していく病気です。

初期の段階ではほとんど症状がなくても、気づかないうちに歯の内部へ進行し、
やがて強い痛み・神経の炎症・抜歯が必要になるケースへとつながることもあります。
さらに、重症化すると口の中だけでなく、全身の健康に影響を及ぼすリスクもあります。

この記事では、

  • 虫歯を放置するとどうなるのか
  • なぜ放置が危険なのか
  • 進行段階ごとの症状とチェックポイント
  • 放置してしまった虫歯の治療法
  • 虫歯を防ぐために今できる対策

について、歯科医師の視点から分かりやすく解説します。

「まだ大丈夫」と思っている今こそ、ぜひ一度ご自身の状態を確認してみてください。

理事長紹介6

越前谷 澄典 先生

歯科医師/歯学博士
医療法人社団スマイルオフィスデンタルクリニック 理事長
GDHインプラントオフィス札幌 院長

北海道医療大学歯学部卒業。
多数歯欠損や骨量不足などの難症例に対するインプラント治療を専門とし、年間1,000本以上の埋入実績を有する。
オールオン4・ザイゴマインプラントのライブオペセミナーを通じ、全国の歯科医師への教育活動にも取り組んでいる。

ドクターの詳しい紹介

1. 虫歯を放置するとどうなる?

虫歯は放置すると自然に治ることはなく、時間の経過とともに確実に進行します。

進行するほど治療は難しくなり、痛みが強くなったり、最終的には抜歯が必要になるケースもあります。

虫歯の進行度

虫歯の進行とその影響

まず、原因とメカニズムについて解説します。

虫歯は、歯の表面にできた小さな虫歯(初期虫歯)から始まり、放置すると歯の内部へと少しずつ進行していきます。

進行が進むにつれて、

・治療範囲が広がる
・治療内容が複雑になる
・治療期間・費用が増える

といった問題が起こりやすくなります。

さらに、虫歯が進行すると周囲の健康な歯にも悪影響を及ぼすことがあります。

噛み合わせのバランスが崩れたり、隣の歯まで虫歯になりやすくなることも少なくありません。

特に注意が必要なのは、虫歯が歯の神経(歯髄)まで達した場合です。

この段階では細菌感染が起こり、強い炎症や腫れを引き起こすだけでなく、まれに全身の健康へ影響を及ぼすリスクも指摘されています。

放置による痛みの悪化(症状の変化)

虫歯を放置すると、最初は「少ししみる」「違和感がある」といった軽い症状でも、次第に痛みが強くなっていきます。

進行に伴い、次のような症状が現れることがあります。

・冷たいものや甘いものを口にしたときに、強くしみる
・食事中に、歯にズキッとした痛みを感じる
・何もしていないときでも、痛みが続くようになる
・夜間に痛みが出て、眠れなくなることがある

これらの症状が出ている場合、虫歯はすでにある程度進行している可能性があります。

この段階になると、日常生活に支障をきたすだけでなく、治療の負担も大きくなりやすくなります。

早期治療が最大の解決策

虫歯は、早期に治療を行えば行うほど、負担を最小限に抑えることができます。

初期段階であれば、痛みも少なく、治療も短期間で終わるケースがほとんどです。

「まだ我慢できるから」「痛みが落ち着いたから」と放置せず、少しでも気になる症状があれば、早めに歯科医院へ相談することが大切です。

2. 虫歯を放置することのリスク

虫歯を放置することには、見た目や一時的な痛み以上に、さまざまなリスクが潜んでいます。

初期の虫歯であれば比較的負担の少ない治療で済むことが多いものの、放置する期間が長くなるほど、治療は複雑になり、身体的・経済的な負担も大きくなっていきます。

口腔内の悪化とその影響

虫歯が進行すると、痛みや不快感が徐々に強くなり、食事や会話といった日常生活に支障をきたすようになります。

さらに、虫歯はその歯だけの問題にとどまらず、周囲の健康な歯や歯ぐきにも悪影響を及ぼします。

虫歯が進行して歯の神経まで達すると、神経を取る治療が必要になります。

さらに重症化した場合には、歯を残すことが難しくなり、抜歯を選択せざるを得ないケースもあります。

歯を1本失うだけでも、噛み合わせのバランスが崩れ、周囲の歯に余計な負担がかかるようになります。

その結果、他の歯まで次々とトラブルを起こし、口腔内全体が悪化していく悪循環につながることがあります。

このように口腔内の状態が悪化すると、治療の範囲は広がり、結果として治療回数が増え、治療費用も高額になりやすくなります。

全身への健康リスク

進行した虫歯では、細菌による炎症が慢性的に続くことがあります。

その結果、口腔内の細菌が血流に乗って全身へ影響を及ぼす可能性が指摘されています。

近年では、口腔内の感染や炎症が、心疾患や糖尿病などの全身疾患と関連する可能性があることも分かってきています。

また、炎症が長期間続くことで体に負担がかかり、免疫力の低下につながるケースも考えられます。

すべての虫歯が直ちに全身の病気を引き起こすわけではありませんが、虫歯を放置することで全身の健康に影響を及ぼすリスクが高まる可能性がある以上、早期に治療を行うことが重要です。

3. 虫歯の進行段階と症状

虫歯は、気づかないうちに少しずつ進行していく病気です。

初期のうちに異変に気づき、適切な対応を取ることができれば、治療の負担を最小限に抑えることができます。

ここでは、虫歯の進行段階ごとに見られる主な症状について解説します。

虫歯の進行度2

初期段階の症状(エナメル質の虫歯)

虫歯の初期段階では、強い痛みを感じることはほとんどありません。

そのため、「問題ない」と判断してしまい、放置されやすい時期でもあります。

この段階では、次のような変化が見られることがあります。

・たまに軽い痛みや違和感を感じることがある
・冷たいものを口にしたときに、少ししみる
・歯の表面に白く濁った斑点が見える

特に、歯に見られる白い斑点は、エナメル質が侵され始めているサインです。

まだ穴が開いていない状態でも、放置すると確実に虫歯は進行します。

この段階で歯科医院を受診すれば、削る量を最小限に抑えた治療や、場合によっては経過観察で対応できることもあります。

中程度から重度の症状(象牙質〜神経まで進行)

虫歯が進行して象牙質に達すると、症状ははっきりと現れ始めます。

さらに放置すると、歯の神経や歯の根まで感染が広がり、強い痛みを伴うようになります。

中程度から重度の虫歯では、次のような症状が見られることがあります。

・痛みが一時的ではなく、持続するようになる
・歯の表面に明らかな穴が開いている
・歯ぐきの腫れや出血が見られる

この段階では、虫歯がかなり進行している可能性が高く、歯科医師による診察と適切な治療が不可欠です。

症状を放置すると、神経を取る治療(根管治療)が必要になったり、場合によっては抜歯を選択せざるを得ないケースもあります。

進行段階を知ることが早期治療につながる

虫歯は、進行するほど治療の選択肢が限られ、治療期間や費用、身体的な負担も大きくなります。

「少ししみるだけ」「まだ我慢できる」と感じる段階こそが、実は最も治療の負担を抑えられるタイミングです。

少しでも気になる症状がある場合は、早めに歯科医院へ相談することが、歯を守るための大切な一歩となります。

4. 放置した虫歯の治療法

「虫歯を放置してしまったけれど、今からでも治療できるのだろうか」

そのような不安を抱えて来院される方は少なくありません。

虫歯の治療は、進行の程度によって方法が大きく異なります。

ただし、どの段階であっても共通して言えるのは、早く治療を始めるほど負担を抑えられるという点です。

軽度の虫歯の治療法(初期〜軽度)

軽度の虫歯は、早期に発見できれば、比較的シンプルな治療で済むことが多いのが特徴です。

歯を削る量も最小限で、治療回数も少なく抑えられます。

初期の段階では、虫歯の進行を抑える目的でフッ素塗布を行うことがあります。

フッ素には歯の再石灰化を促し、エナメル質を強くする働きがあり、虫歯がこれ以上進行するのを防ぐ効果が期待できます。

また、定期的に歯科検診を受けることで、自覚症状が出る前に虫歯を発見し、治療ではなく予防で対応できるケースもあります。
軽度の虫歯ほど、日頃のケアと早期受診が大きな意味を持ちます。

エナメル質の深いところや象牙質にまで及んでいる場合は虫歯の部分を削る必要が出てきます。

その場合は、削った部分をCR充填やインレー(詰め物)で修復する治療が必要なりますが、1〜2回で治療自体は終了します。

重度の虫歯の治療法(神経まで進行した場合)

虫歯が進行し、歯の神経まで達している場合には、根管治療(神経を取る治療)が必要になります。

この治療では、感染した神経や細菌を取り除き、歯の内部を丁寧に清掃・消毒したうえで、被せ物によって歯を保護します。

多くの場合、最終的にはクラウン(被せ物)を装着し、噛む力から歯を守り、再発を防ぎます。

重度の虫歯は、放置すると強い痛みや腫れを引き起こすだけでなく、歯を残すこと自体が難しくなる可能性もあります。

そのため、症状が進行する前に治療を受けることが非常に重要です。

早期治療が歯を守る最大のポイント

「もう悪くなってしまったから」と治療を先延ばしにしてしまうと、選択できる治療法は徐々に限られていきます。

一方で、今の状態を正確に診断し、適切な治療を受けることで、歯を残せる可能性が高まるケースも多くあります。

虫歯を放置してしまった場合でも、これ以上進行させないために、できるだけ早く歯科医院へ相談することが大切です。

5. 虫歯を放置しないための予防策

虫歯を放置しないためには、「症状が出てから治療する」という考え方から、日常的に予防し、早期に気づく習慣へと意識を変えることが大切です。

ここでは、虫歯予防のために特に重要なポイントを解説します。

定期的な歯科検診の重要性

定期的に歯科医院を受診することは、虫歯の早期発見につながります。

初期の虫歯は自覚症状がほとんどないため、検診によって初めて見つかるケースも少なくありません。

歯科検診では、虫歯の有無だけでなく、歯周病や噛み合わせの状態、お口全体の健康状態を専門的な視点でチェックします。

必要に応じて専門的なクリーニングを行うことで、日常の歯みがきでは取りきれない歯垢や歯石を除去し、虫歯のリスクを減らすことができます。

また、歯科医師やスタッフから直接アドバイスを受けることで、年齢や生活習慣に合った予防方法を学ぶことができ、予防歯科の視点から口腔内の健康を維持しやすくなります。

大人だけでなく、小児歯科や矯正歯科の分野においても、定期的な検診は将来的なトラブルを防ぐうえで重要な役割を果たします。

日常的な口腔ケアを習慣化する

虫歯予防の基本は、毎日の口腔ケアです。

まず大切なのは、正しい歯みがき方法を身につけることです。

歯と歯の間や歯ぐきとの境目は汚れが残りやすいため、丁寧に磨くことを意識しましょう。

歯ブラシだけでなく、フロスや洗口液を取り入れることで、清掃が難しい部分までケアしやすくなり、虫歯の原因となる汚れを減らすことができます。

さらに、糖分の多い間食を控え、バランスの取れた食生活を心がけることも、口腔内の健康を維持するうえで欠かせません。

こうした日常生活の積み重ねが、虫歯の予防につながります。

早めの相談が将来の歯を守る

「少し違和感がある」「しみる気がする」と感じたときは、忙しさを理由に後回しにせず、早めに歯科医院へ相談することが大切です。

虫歯は、早期に発見・対処できれば、大きな治療を避けられる可能性が高まります。

定期検診と日常的なケアを習慣化することが、将来にわたって健康な歯を維持するための最も確実な方法です。

6. まとめ:虫歯を放置することの危険性

虫歯は、放置しても自然に治ることはなく、時間の経過とともに確実に進行していく病気です。

初期の段階ではほとんど症状が出ないため、「まだ大丈夫」と感じてしまう患者さんも多くいらっしゃいますが、気づかないうちに歯の内部まで進行し、治療が大きく変わってしまうケースも少なくありません。

虫歯を放置すると、強い痛みが出たり、神経を取る治療や抜歯が必要になるなど、結果として治療方法が限られてしまうことがあります。

さらに、噛み合わせの乱れによって他の歯に負担がかかり、口腔内全体の環境が悪化してしまう可能性もあります。

早期発見・早期治療のメリット

虫歯は、早期に発見し、適切な治療を行うことで多くのメリットがあります。

虫歯が深いところまで到達する前に治療を始めることで、進行を防ぎ、歯をできるだけ削らずに済む可能性が高まります。

また、早めに治療を行うことで、重度の虫歯と比べて治療費を抑えられるケースも多く、痛みや不快感を最小限に抑えながら診療を進めることができます。

結果として、日常生活への影響や精神的なストレスも軽減されます。

定期的な検診と予防を続けることは、将来的な大きな治療との「違い」を生み出す重要なポイントです。

歯科医院への早めの相談が大切です

「少ししみる」「違和感がある」「以前より噛みにくい」

こうした小さな悩みが出た段階で、歯医者や歯科医院に相談することが重要です。

受診の際には、症状がいつから出ているのか、どのような場面で気になるのかを正確に伝えることで、歯科医師による適切な診断と治療が可能になります。

信頼できる医院や歯科医を選び、不安な点や治療方法について納得いくまで相談することも大切です。

虫歯の状態によっては、将来的にインプラントや入れ歯といった治療が必要になる場合もありますが、早めに対応することで、そうした選択肢を避けられる可能性もあります。

虫歯は、早く気づき、早く行動することで守れる病気です。

「これくらいなら大丈夫」と思わず、少しでも気になる症状が出た時点で、早めに歯科医院へ相談することが、健康な歯を長く維持するための第一歩となります。

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