インプラントオーバーデンチャーは全部の歯をインプラントにするような人やインプラントの本数を多く、「入れ歯は嫌だけど安くインプラントを受けたい」という方におすすめな治療法です。

インプラントは保険適用の範囲外の治療のため、患者さまには大きな費用負担となります。

インプラントオーバーデンチャーであれば少ないインプラントの本数ですみ、身体的・費用的な負担を軽減することが可能です。

インプラントと入れ歯を融合させた治療「インプラントオーバーデンチャー」をご紹介します。

1. インプラントオーバーデンチャーとは？

インプラントオーバーデンチャーは、口腔内に埋め込まれたインプラントの上に取り外し可能な入れ歯（義歯＝デンチャー）を取り付ける治療です。

まさにインプラントと入れ歯を融合した治療方法で、人工歯が固定されるオールオン4と通常の取り外し可能な入れ歯のちょうど中間のような位置付けです。

2. インプラントオーバーデンチャーにおけるインプラントの役割

インプラントオーバーデンチャーの最大の特徴は、インプラント自体の役割です。

インプラントはチタン製で、その生体適合性により、人体の骨と結合します。

このプロセスは「骨結合」と呼ばれ、インプラントが顎の骨にしっかりと固定されることを意味します。

その結果、噛んだ時に、インプラントが入れ歯を下からしっかりと支えてくれる役割を果たしてくれます。

患者様は自然な歯のように感じられ、日常生活における食事や会話を格段に改善してくれます。

3. インプラントオーバーデンチャーの種類

インプラントと入れ歯を取り付ける部分をアバットメントと呼びますが、そのアバットメントにいくつか種類があります。

インプラントオーバーデンチャーの種類についてご紹介します。

ロケーターアバットメント

インプラント先端部にボタンのような凸型部品がセットされています。

凹型の受け部のある総入れ歯を合わせてはめ込むことで固定します。

凹凸でしっかりはまるため、ずれたり外れたりすることがほとんどありません。

マグネットアバットメント

インプラントと入れ歯をマグネット（磁石）で取り付けます。

他にはない入れ歯の装着感と、良く噛むことができ、取り外しも簡単といったメリットがあります。

デメリットとしては磁石は磁気を発するためMRIの検査を受ける際に外さないといけないことでしょうか。

入れ歯はその場で外せますが、インプラントに取り付けられたマグネット（磁石）は歯科医院で外す必要がありますのでご注意ください。

ボールアバットメント

インプラント先端部にボール状の部品がセットされます。

そのボール状の先端を、入れ歯側に取り付けた部品にセットすることで入れ歯をインプラントに固定します。

アバットメントの先端がボール状になっていることで、入れ歯をスムーズにセットすることができ、装着後に高い安定性が維持されます。

バーアバットメント

アバットメント同士を金属のバーで連結し、入れ歯側にも取り付けた部品にセットすることによって、入れ歯をインプラントに固定します。

バータイプのインプラントオーバーデンチャーは、連結が非常に強固となりますが、ご自身でも外すのが大変というデメリットもあります。

4. インプラントオーバーデンチャーのメリット

入れ歯がずれないから痛くなく、噛める

従来の入れ歯は歯茎の上に装着するため、食事などで噛んだ時や会話などの時に、入れ歯がずれやすく、ずれると歯茎にあたって痛いというデメリットがあります。

インプラントオーバーデンチャーでは、顎の骨に固定されたインプラントが入れ歯を支えるため、入れ歯はただ歯茎の上に乗っているよりも安定し、痛みもなく、自然な噛み心地を実現することができます。

違和感が少ない

入れ歯の大きさにもよりますが、ただ歯茎の上に載せている状態とは違い、インプラントに装着されている状態ですので、通常の入れ歯よりも違和感は少ないとおっしゃるかたがほとんどです。

とくに上顎の総入れ歯の場合、入れ歯の口蓋部分がなくなりますので発音もしやすく装着感がかなり改善されます。

顔貌の変化を防ぐ

インプラントが顎の骨に埋入され、しっかり噛んで食べることができるため、顎骨を維持する助けとなり、顔貌の変化も防いでくれます。

メンテナンスが簡単

オールオン4とは違い、ご自身で取り外しができるため、入れ歯の手入れが非常に簡単です。

5. インプラントオーバーデンチャーのデメリット

入れ歯が割れたり壊れたりする

入れ歯のため割れてしまったり、人工歯の部分が欠けたり外れたりすることがあります。

入れ歯は消耗品

通常の入れ歯と同じように、入れ歯そのものは、歯の部分がすり減ったり汚れたりはします。
そのため、定期的に修理交換は必要となります。

6. インプラントオーバーデンチャーがおすすめな人

「インプラントの本数が多くて全部をインプラントにすることは費用的に難しい。けど入れ歯も嫌。」

そのような人にインプラントオーバーデンチャーはおすすめです。

GDHインプラントオフィス札幌でも本当はオールオン4がやりたいけど、費用の面でインプラントオーバーデンチャーを選ぶという方もいれば、上顎はオールオン4で下顎はインプラントオーバーデンチャーにするという方もいます。

虫歯や歯周病で歯を失っていくと、失った歯の分だけ入れ歯もどんどん大きくなっていきます。

それにつれて入れ歯に対する違和感や嫌悪感も大きくなっていくかたがほとんどです。

「入れ歯だから仕方ない」「インプラントは高額だから無理」と諦めずに、まずは一度ご相談ください。

お一人お一人のご予算にあった治療方法をご提案させて頂きます。